つみかさね

（会話のみ。バカップル。好きを積み重ねると？）

「妹子の作るカレーが好き」
「あんたが作れって言うからでしょう」
「妹子の作ってるときの背中が好き」
「やけに視線が痛いなと思ったら…」
「妹子の書類書いてる文字が好き」
「あんな字でいいんですか」
「妹子の気づいてない寝癖が好き」
「ちょ、言ってくださいよ！ああもうぅ」
「妹子の迷惑そうに言いながらも部屋にあげてくれるとこが好き」
「…摂政の命令は断れないでしょう」
「命令なんて本当は思ってないとこが好き」
「…何が言いたいんですか」
「結局私に付き合ってくれるとこが好き」
「だから摂政命令には逆らえないって言ってるじゃないですか」
「付き合ってくれてるときのなんだかんだで私を許してる妹子が好き」
「許してるってなんですか…あんたが好き勝手するのを見てるだけでしょう」
「さて、ここで問題です」
「い、いきなりなんですか。しょうもないクイズは勘弁してくださいよ」
「まだまだ言い足りないこれをあわせたたくさんの好きがイコール妹子に積み重なると、いったいどれくらいの好きになるでしょう」
「…………」
「答えないと聖徳ベーゼを食らわせます」
「いっそキスと言え！あああもうぅ！それを聞いて何になるっていうんですか！」
「ただ困った顔の妹子も好きだから見たいだけ。真っ赤になった顔の妹子も好きだから見たいだけ」
「…な、なんなんですかぁ」
「それとキスもしたいから一石二鳥！さあ覚悟しろ妹子！」
「なあ！？か、覚悟なんかするかー！！」
「キャッサバ！！くう…容赦ない妹子のパンチも好きだ…」
「あんたはマゾか」

（結局は、それでも言い切れないほどに君が好きだと、本当は伝えたかっただけ。）